DXの本質的な取り組みに効くユーザー会「intra-mart LIVE 2022」で語られたIMUGの存在価値
NTTデータ イントラマートが11月17日、18日の2日間にわたって開催したプライベートイベント「intra-mart LIVE 2022」。過去最大の45セッションを用意し、初めてリアル会場とオンラインのハイブリッドで参加していただける環境を整えたこともあってか、おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じました。
2日間のプログラムを締めくくったのは、発足から2年目を迎えたユーザー会「IMUG」のパネルディスカッションです。ユーザーコミュニティに参加することが自社のDXの取り組みにどのような影響を与えるのか、さらにはIMUGへの率直な評価と今後への期待などをざっくばらんに語りあっていただきました。パネリストの皆さんから共通して聞かれたのは、IMUGがintra-mart製品に関する情報交換・共有にとどまらず、DXに取り組む「同志」と企業の枠を越えてより多面的な交流ができる場になっているという評価。示唆に富むメッセージが飛び交う充実のセッションとなりました。
IMUGで積極的に活動している3社が登壇
パネルディスカッションには、株式会社村田製作所 情報技術企画部情報技術・品質保証課マネージャーの秀島雄飛氏、日立造船株式会社 ICT推進本部主管技師の折橋正俊氏、AJS株式会社 ビジネスプロセスインテリジェンス開発室室長の岡本匡史氏にパネリストとしてご参加いただきました。IMUGで積極的に活動していただいている3社から、各社のキーパーソンにご登壇いただいたかたちです。
また、企業の経営者や情報システム部門を主な読者対象とする専門誌「IT Leaders」で編集長を務める河原潤氏がファシリテーターを務め、IMUG事務局長の久木田浩一もオブザーバーとして参加しました。
自社の現在地を相対化……村田製作所
村田製作所は「Notes」移行でintra-martを採用し、現在ではより幅広い業務基盤として活用範囲を広げています。同社は大手電子部品メーカーとして社会や顧客への提供価値をDXにより継続的に高めていく方針を打ち出し、今年4月に経済産業省のDX認定を受けています。IMUGには「製品サービス分科会」「業務プロセス改革分科会」「ビジネスイノベーション分科会」という三つの分科会がありますが、秀島氏は全ての分科会に高頻度で出席。「できるだけ幅広く情報を得て自社のDXの取り組みにフィードバックしたい」との思いからIMUGに参加したといいます。
秀島氏は、IMUGの分科会などで可能な限り自社の取り組みを積極的に発信することで、「IMUGメンバーとのオープンなコミュニケーション/コラボレーションが発生し、結果的に自社のDXの取り組みが加速している」と話します。業界も業種も規模も違う会社同士が集まってディスカッションすることで、自社の現在地を相対化したり、今後取り組むべき課題を言語化できる効果があることを強調しました。
イノベーションを促すコミュニティ……日立造船
日立造船株式会社は、かなり以前から造船事業を手掛けていない、日立製作所グループにも属していないというユニークな会社ですが、今やごみ焼却発電施設や水処理施設などを手掛ける機械・プラントメーカーとして確固たる地位を築いています。全社を挙げてDXに積極的に取り組んでおり、DXを支えるシステムの共通開発基盤としてintra-martを導入。村田製作所と同様、今年4月にDX認定事業者となりました。
折橋氏はIMUGの前身とも言えるintra-martユーザーの勉強会「プロセス改革企業交流会」(PIC)にも参加しており、「初期メンバー」として積極的にコミュニティを盛り上げてくれています。「IMUGが立ち上がったことで、NTTデータイントラマートの製品開発にユーザーコミュニティの声をよりダイレクトに反映してもらえるようになったのは大きなメリット」という指摘には他のパネリストも大きく頷いていました。
またオープンイノベーションの場として機能していることも、折橋氏がIMUGを高く評価するポイントだといいます。「イノベーションはゼロからの創造だけでなく、既存の要素を組み合わせて起こるものも多い。IMUGは情報を受け取るだけでなく、参加型で仮説検証やディスカッションに取り組む機会が多く、自社内だけではなかなか出てこない多様な事例や考え方を知り、それらを吸収して組み合わせ、自社のビジネスや業務に生かすことができる」
DXの実践をSIビジネスに生かす……AJS
一方、AJSは他の2社とは若干立ち位置が異なります。旭化成の情報システム部門に源流がある同社は、TISインテックグループのSIerです。2022年度にintra-martを採用し、IMUGにも今年から参加。intra-martに関する情報を幅広く収集することが当初の参加目的でした。
岡本氏によれば、「SIerとしてお客様にDX支援やITを活用した業務改革の提案をする中で、AJS自身はどういう改革・改善に取り組んでいるのかと聞かれることが多くなった」ことが一連の取り組みの背景にあるそうです。ローコード開発やRPAなどを使いこなしながら、自社が積極的にDXに取り組む基盤としてintra-martを活用し、そこから得た経験をSIerとしてのビジネスにも生かしていくという構図です。
実際に参加してみて、現在では単なる情報収集以上の価値をIMUGに感じているとのこと。「SIerの立場でお客様の生の声を聞けるのは大きいが、それだけでなく、グループワークで議論できる場があるのがIMUGの大きな価値。議論の中から自分たちが想像していなかった気づきを得られることもある」といいます。そうした効能を積極的に社内にフィードバックすべく、同社からは既に50人を超える社員がIMUGの活動に参加しています。
製品と直接関連しない「学び」の場も提供
また、ビジネスイノベーション分科会のように、intra-mart製品と直接関連しないテーマでさまざまな先進ビジネスメソッドを学ぶ機会があることも、IMUGのユニークな価値として評価していただきました。各パネリストのコメントを紹介します。
「intra-martの情報を得たいだけならネット上でも探せるし、メーカーと直接話せばいい。ユーザー同士のコミュニケーション/コラボレーションによって、intra-martをどう使っていくかという目的に目を向けられ、視野が広がるメリットがある」(村田製作所・秀島氏)
「私たちにとってのユーザーは社内でソフトウェアを使う人。そして私たちの仕事はソフトウェアをつくることではなく、ユーザーの困っていることを改善すること。IMUGは私たちの目的にフォーカスしてくれていて、製品の話が全然出てこない分科会もあるのはすごい。ユーザーのビジネスを本質的に支えようとしてくれている」(日立造船・折橋氏)
「ビジネスイノベーションは日本の企業が特に不得意な取り組み。しかしそこを変えていかないとDXは実現できない。IMUGのディスカッションでは自分の頭の固さに打ちのめされたこともあったが、固定観念を捨てて発想や意識を変える契機になった。私の組織は若いメンバーが多いが、彼らもIMUGから大きな財産を得ている」(AJS・岡本氏)
intra-martユーザーのビジネスの成功に貢献する
3人のパネリストの発言を受け、事務局長の久木田もIMUGのねらいや存在意義を改めて説明しました。intra-martを使っていただくだけでは、お客様のビジネスが成長し、DXが実現できると断言はできません。「DX人材をどう確保・育成するか、企業文化をどう変えるかなど、製品の外側の世界で重要な取り組みについて、IMUGを通じて情報共有していただくことが、DXへの重要な一歩だと考えている」として、NTTデータイントラマートとしても、プログラムの充実に積極的に投資している現状をご説明しました。また、IMUGの分科会は随時拡充していく方針であることも発表しました。
この日のパネルディスカッションを総括したファシリテーターの河原氏は、「情報を発信した人により多くの情報が集まるのがユーザー会の醍醐味」だとして、IMUGのインタラクティブな交流の場を生かして積極的に情報発信をしたり議論に参加したりするほど自社の業務やビジネスにポジティブな影響があると指摘。発足から2年で107社が参加しているIMUGが、目下、順調に拡大を続けていることにも触れ、「規模が拡大することでできることも増える。今参加すればまだ『初期メンバー』になれるので、DXに取り組む企業は参加を検討してみては」と会場に呼びかけてプログラムを締めくくりました。
(IMUG事務局編集部)
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