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IMUGは、老若男女が一個人として発言することに価値がある

1881年創業。ごみ焼却発電施設や水処理施設などを手掛ける機械・プラントメーカーの日立造船は、内製によるDX基盤の整備に注力し続けている。

ワークフローシステムとしてintra-martを導入・活用していたが、近年はBPM分析とローコードを組み合わせた開発まで利用範囲を拡げ、今後はデジタルに合わせた事業変化を行いながら競争力を高めていく方針。

IMUGについて「一個人として発言することに価値がある場所」と話す岡田裕介氏、折橋正俊氏にIMUGについて伺いました。

(左:折橋正俊氏、右:岡田裕介氏)

日立造船株式会社
ICT推進本部 高度情報システム部 デジタル推進グループ グループ長
兼 ICTシェアードサービスセンター センター長
岡田 裕介 氏

日立造船に入社し、研究所にてごみ焼却施設の開発に従事。その後設計部門を経て、環境事業の情報化を進めるため情報部門へ転身、主に環境部門の情報化を推進してきた。近年のSAP導入プロジェクトでは、プロジェクト管理領域を担当。事業部での業務知識、情報化の知識を活かして、環境事業のみならず様々な事業に向けてシステム化を推進。現在、DXを推進するためにintra-martを用いた内製化プロジェクトを立上げ、取り組んでいる。

日立造船株式会社
ICT推進本部 高度情報システム部 デジタル推進グループ 主管技師
折橋 正俊 氏

日立造船に入社し、研究所にてコンピュータを活用した事業部の支援を研究、日立造船のインターネット導入などを手掛けながら社内の情報化を推進。その後、社内ベンチャーによるネットビジネスへの参画、関連会社の情報化推進を経て、本社に戻り、社内向けのシステム化を推進。近年のSAP導入プロジェクトでは、受注管理領域を担当。現在はDXを推進するためにintra-martを用いた内製化プロジェクトを立上げ、取り組んでいる。
「IMUG(intra-mart User Group)2023 STAR」受賞。

■参加の目的は「多様な活用法を知ること」

—— IMUGへの参加経歴を教えて下さい

岡田:初めて参加したのは、intra-mart製品を導入したばかりの2021年。導入したばかりだったので、どんな活用法があるのか知りたくて参加しました。

折橋:当初は「参加できる人は参加してね」という感じで2~3人で参加していました。継続して参加しているのは私と岡田さんの2人だが、回によっては他メンバーにも参加してもらっています。僕自身は「情報をちょっと教えてほしい」という軽い気持ちでIMUGに参加していました。

■IT活用は「つくるのではなく、つくらずに済む方法を考える」

—— intra-mart製品導入の背景をお聞かせください

折橋:以前は、スクラッチ開発やNotesを使って業務を行っていましたが、「自分が仕事を辞めたら、どうなるんだろう?」と考えました。保守の面を考えたら業務にツールを使うべきだと考え、たどり着いたのがintra-martです。

折橋:具体的には、当社の事業では、ノーコードを利用するのは難しいと感じていたときに、BPMを使って業務分析をした上で、ローコード開発ツールを用いたプロトタイピングを行い、ユーザーに画面を見せながら開発ができると知りました。それでアジャイル開発が容易なintra-mart製品を採用しました。

——  日立造船さまはITの活用について、どのような方針をお持ちですか?

折橋:弊社では「価値を早く届けること」を大切にしています。早い段階でモックアップを見せてユーザーとコミュニケーションをとる。ユーザーとの共創がなければ社内のベンダーになってしまいます。それは開発の進め方として良くありません。

折橋:ベンダーはどうしても「モノ」を作ろうとしますが、私たちはシステムを作ろうとしているのではなく、出来る限りシステムを作らずに課題を解決する方法を考えています。ユーザーの困りごとを解決するためにシステムを使っているのであって、システム構築が目的ではない。プログラムをつくる前にBPMで業務分析するのは「作らずに済む方法はないか?」を考えているからです。

■発信すればするほど、向こうから情報が入ってくる

― 岡田さんと折橋さんにはIMUG立ち上げ当初から活動に積極的に関わっていただいています。IMUGの印象をお聞かせください。

折橋:あるイベントに参加したとき、ほとんどintra-mart製品の話をしないことに驚きました。「自社製品の紹介もせずに、何を考えているんだろう」と思って(笑)

― テーマによってはintra-martのことを扱わないこともありますね(笑)

岡田:分科会などに参加すると、自分たちの考えつかない知見を多く得られる印象があります。同じユーザーの仲間と悩みを共有できるのは大きいです。

折橋:ユーザー会などで発信すると、向こうから情報が入ってくるんですよね。例えばIM-BloomMakerを使って何か作るぞ!と発言するだけで意見がもらえる。

― お2人は現地開催のイベントにもたくさん参加されていますが、雰囲気はいかがでしょう?

折橋:来るものは拒まない雰囲気ですかね。

岡田:そう。フレンドリーな感じです。

折橋:IMUGには、分からないことがあるから来ている人が多いです。「分からないから入れない」という場所ではなくて、得たものが糧になる場所。それがIMUGです。

■自分の考えを発言する場を「しんどい」と思うか「楽しい」と思うか

—— ではIMUGへの参加が「役立っているな」と感じることはありますか?

岡田:以前「アート思考」をテーマとしたビジネスイノベーション分科会に弊社の若手が参加しました。その会はインプットだけでなくアウトプットの機会がありました。人材育成という観点で「聞くだけでなく、アウトプットできること」は大きな意味があると思います。

岡田:これまではコロナ禍でオンラインイベント開催が多かった。それが逆に良かったです。我々は大阪にいるので東京開催のイベントは距離的な制約があります。その点、オンライン参加はどこからでもできるのでありがたかったですね。

折橋:ビジネスイノベーション分科会は特に勉強になりました。「アート思考ってなんだろう?」を考える場で、答えを言わなければなりません。自分の考えを発言する場をしんどいと思うか、楽しめるか。若い方にも参加してもらえたらいいなと思っています。どんな企業も老若男女が入り混じり、一個人として発言することに大きな価値があると感じます。

― これまで折橋さんにはイベント登壇者としてたくさん活躍していただきました。岡田さんは折橋さんのこうした活動についてどう思いますか?

岡田:毎回毎回イベントに参加して情報発信することには、大きなエネルギーを使います。自分の中に引き出しが多くないと、そうそうできない。でも折橋さんは、引き出しの数が非常に多い。

岡田:自社で行っているさまざまなアプローチを引っ提げて、ほかの参加者の前で発表しているのはすごいなと。

折橋:こんな風に面と向かって褒められたことはないですが……(笑)岡田さんのいうように「引き出しの数を増やす」という意味では確かに増えますし、新しいことが好きな方にもIMUGをおすすめしたいです。

■「新しい参加者の視点」を取り入れたい

—— これからIMUGに期待すること、IMUGでやってみたいことはありますか?

岡田:今後も、我々が思いもつかない視点を提供していただけるとありがたいです。その視点を元に参加者同士で議論する場も広がると思います。

折橋 :過去のトピックをもう一度やってみるのもいいですよね。新しくIMUGに参加した方の新しい情報や視点、知識を組み込めるんじゃないかな。

折橋 :私たちはビジネスで生き残るためにITを使うことを選びました。だからそれが実現できるツールであればいい。偶然にもイントラ―マートさんと共創して、一緒に活動している。これからもこの活動がコミュニティの糧になるといいなと思います。

—— 岡田さん、折橋さん、本日はありがとうございました!

(IMUG事務局編集部)

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