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IMUG2023 ライトニングトーク大会レポート

ライトニングトーク大会を古野電気本社で開催!
カジュアルに近距離でコミュニケーションできる場の価値を実感

NTTデータ イントラマートのユーザー会「IMUG」は6月21日、「ライトニングトーク大会」を開催しました。IMUGメンバーからの熱い要望を受けて今年度新たに立ち上げたイベントであり、記念すべき初回は、IMUGで積極的に活動してくれている古野電気株式会社の協力により、兵庫県西宮市の同社本社オフィスが舞台となりました。参加してくれた関西地域のIMUGメンバーには、フランクかつディープなコミュニケーションを通して、このイベントの効能を感じてもらえたのではないでしょうか。ライトニングトーク大会イベントの趣旨を改めておさらいするとともに、当日の様子をレポートします。

ライトニングトーク(英:LightningTalk , 以下、LT)とは


「メンバー間の距離が縮まらない」「本音を話しづらい」を超えるために

IMUGの活動は「製品・サービス分科会」「業務プロセス改革分科会」「ビジネスイノベーション分科会」の三つの分科会が中心となっています。ただ、IMUGはウィズ・コロナの状態で発足したため、これまでは各種イベントもオンラインでの開催が中心で、メンバー同士がフラットかつフランクにコミュニケーションを取る環境をなかなか整えられないという課題がありました。

昨年度は大阪と名古屋で1回ずつ、初めてオフラインで交流する機会を設けるなど、徐々にフィジカルなイベントも増やしています。それでもIMUGメンバーからは従来のイベントの枠組みについて「メンバー同士の距離がなかなか縮まらない」「本音を話しづらい」といった意見が寄せられていました。

LT大会はそうした声に応えるべく立ち上げた企画です。各参加者に数分程度の短いプレゼンテーションをしてもらい、自社や自身の簡単な紹介、「intra-mart」の活用状況、メンバー同士で情報交換や意見交換をしたいテーマなどを共有した上で、ネットワーキングの時間を設けました。参加者同士、お互いの情報をある程度把握する時間を設けて、コミュニケーションのハードルを下げるという趣旨です。

IMUGコミュニティマネージャー 三村真由

当日の進行を担当したIMUG事務局の三村真由・コミュニティマネージャーは「IMUGメンバーの皆さんの声を拾ったイベントができて非常にうれしく思っています。LTで皆さんの思っていること、普段感じていることを軽く共有することで(メンバー間の)壁を壊せるような、お互いに一歩近づけるような企画になったらいいなと考えています」と説明しました。
また、当日は古野電気の社員の方に社内展示コーナーもご案内いただき
参加者は同社のビジネスのユニークさにも触れることができました。

古野電気本社 コミュニケーションブリッジ(展示室)にて

LTセッションでは、当社のエンタープライズ営業グループから山谷が最初に登壇し、場を温めました。普段の営業活動を通じて感じている顧客の課題について次のようにコメントしました。「DXが進まない、(DXの基盤づくりを目的に)IT製品を導入しても効果が出ないという声をよく耳にします。突き詰めて考えると、ボトルネックになっている要因に対して適切な対応を取っていないケースも多いのではと感じています」

株式会社NTTデータイントラマート 山谷晟也

その上で「ITベンダー側にも顧客をより深く知って、業務改善やDXのゴールを一緒に考える姿勢が求められる」と指摘。NTTデータ イントラマートとしては、DXや業務プロセス改革のトータルサポートサービス「IM-QuickActivate」などでそうしたニーズに応えていることを紹介しつつ、「IMUGでいただいたフィードバックを基に、お客様への提案も進化させていきたいと考えています」と抱負を語りました。

ユーザーがintra-martやIMUGへの熱い思いをぶつけてくれた

IMUGメンバーからは3人がLTに参加してくれました。先陣を切ったのは株式会社フェリシモIT推進部の笹岡太郎氏です。フェリシモはカタログ通信販売やECの大手で、1965年創業の老舗企業です。近年では、各地の水族館などとコラボしたSNS映えする自社開発商品が好調なほか、配送拠点を活用した物流事業を拡大したり、「神戸ポートタワー」の運営事業者に選定されるなど、幅広い事業を展開しています。

株式会社フェリシモ 笹岡太郎氏

「進まないペーパーレス化」という課題をintra-martを活用して乗り越えた自身の経験を語ってくれました。もともと同社は20年来使っていったワークフローシステムをintra-martで刷新したものの、Excelで作成した申請書の雛型を印刷、押印するという紙を前提とした稟議や決裁のフローが残っていました。しかもこれらは部署ごとに独自のルールで運用されており、intra-mart導入を機に全社的に運用を見直してペーパーレス化を進めようという方針は固まっても、調整が容易ではなく「遅々として進まなかった」といいます。

さらにフェリシモは開発を外部の協力ベンダーに委託しているため、申請書ごとに異なる仕様で開発するのはコスト面でも現実的ではなかったそうです。そこで、申請メニューとフローの選択機能のみを全社員が共通で利用するものとして作成。申請の具体的な内容については「IM-Spreadsheet」に既存の申請書のExcelデータを取り込み、従業員がそこに必要な情報を入力する形にしました。

笹岡氏は「承認漏れのアラートや承認者の申請内容編集可否、証跡保管などは申請書ごとに機能をオン・オフできるようにしました。個別のつくり込みを極力排したことで、申請書の作成コストは(申請書ごとに異なる仕様でつくるのに比べて)40分の1に圧縮できましたし、作成のスピードも上がりました」と成果を紹介しました。さらに、「浮いたコストと時間を使って、intra-martを使ってもっといろいろな機能をつくりたいという野望があります。IMUGはそのための情報収集ができる多様なイベントを企画してくれるので、今後も積極的に参加していきたいです」とIMUGへの期待についてもコメントしてくれました。

続いて登壇したのは日立造船株式会社ICT推進本部の折橋正俊氏です。「(社名から連想される事業・組織とは違って)かなり以前から造船事業を手掛けていない、日立製作所グループにも属していない会社です」(折橋氏)という同社は、ごみ焼却発電施設や水処理施設などを手掛ける機械・プラントメーカーであり、ごみ焼却発電プラントでは世界ナンバーワンの納入実績があります。

日立造船株式会社 折橋正俊氏

近年は内製によるDX基盤の整備に取り組んでおり、ワークフローシステムとして導入したintra-martを業務アプリケーションのローコード開発ツールとしても積極的に活用しています。「内製化の方針を固めた当時を振り返ると、ちょうどintra-mart上で動作するアプリケーション画面を簡単に作成できる『IM-BloomMaker』が出た頃で、これとビジネスロジックを簡単に作成できる『IM-LogicDesigner』などを使えば、十分にやれるという手応えがありました」(折橋氏)

同社の業務アプリケーション開発は、ユーザーにヒアリングして業務分析を行い、IM-BPMで業務プロセスを記述したら、データベースを設計する前にIM-BloomMakerでまずアプリケーション画面を作成するという手順で進めているそうです。折橋氏は「こうしたやり方に批判はあるかもしれませんが、データベース設計の前にユーザーとのネゴシエーションが済んでいるので、後工程が非常にスムーズになりました。効率的なアプリケーション開発という観点でのIM-BloomMakerの使い方として、一つの方法ではあると思います」とコメント。ほかにも、自社の実践を通じて得たIM-BloomMakerとIM-LogicDesignerを使いこなすノウハウの一端を披露しました。

続いて、フェリシモからの二人目の登壇者である同社IT推進部の榎本凌氏が、取引先情報の登録作業効率化にintra-martを活用した事例についてプレゼンしました。同社では従来、取引先情報の登録作業を次のようなフローで進めていました。
(1)新規取引先からExcelに記入された「基本情報(社名、担当者名、本社住所など」「財務情報(口座番号、口座名義など」を取得し、紙の書類で登録申請
(2)基本情報は登録申請後、上長の承認を経て、入力担当者が基幹システムに手入力。同時に取引先コードを採番する
(3)財務情報は登録申請後、上長、財務担当、財務上長、財務部門長の承認を経て、財務担当が必要な追加情報と合わせて会計システムに手入力、これを紙に印刷して再度財務上長、財務部門長の承認を得る


株式会社フェリシモ 榎本凌氏

榎本氏はこのフローの課題について「まずお客様からいただいた情報を社内システムに手入力しているのでミスが発生する余地が大きく、財務情報に至っては承認を経て会計システムにデータを手入力した後にそれを印刷して再度承認するという非効率なワークフローになっていました。さらに取引先コードはExcelを使って人力で空き番の管理を行っており、この業務も煩雑で手間でした」と振り返ります。

フェリシモではその解決策として、まず取引先情報をExcelではなくWebフォームで収集し、フォームに入力されたデータは自動でCSVファイルに変換される仕組みを構築。前のセッションで笹岡氏が説明したように、同社はワークフローシステムとしてintra-martを導入していますが、前述の承認フローをintra-martに乗せ、申請時にこのCSVを取り込んでワークフローを回すかたちにしました。承認が完了したら、基本情報は基幹システムに自動入力され、財務情報は担当者がCSVを会計システムに取り込むだけで作業が完了するとのこと。取引先コードも、基幹システムとintra-martを連携させることで自動採番を実現しました。榎本氏は「intra-martを核にした仕組みで長年の課題を解決できた。intra-martのさらなる活用、新しい取り組みに挑戦し続けていきたい」と締めくくりました。

IMUGメンバーのLTを受けて、NTTデータ イントラマートの開発チームからも「ローコード愛を伝えたい、IM-BloomMaker大好き」を公言する開発本部プロダクツグループ サービスイノベーションチームの山崎が登壇。その言葉どおり、プレゼン資料もIM-BloomMakerで作成したという山崎は、その場で実際にさまざまな画面をつくりながら、IM-BloomMakerのポテンシャルの大きさをアピールするとともに、使いこなすためのコツなどを参加者に伝授しました。

株式会社NTTデータイントラマート 山崎玲奈

「ネットワーキング」で参加者同士のコミュニケーションも大盛り上がり

LT終了後は、参加者が感想をメモに書き、それを全員が会場に公開して、似たようなキーワードを書いている人とざっくばらんに会話する「ネットワーキング」の時間を設けました。

感じたことを紙に書き出す時間…。
皆さん紙にたくさん書いてくださっていました
書き出した紙をもとに意見交流
20分では収まらないほど盛り上がりました!

LTでユーザーの具体的な取り組みや製品提供・開発側の思いなどを共有した上でのコミュニケーションは、大変盛り上がったという印象です。今年度はこうした機会を増やしていく予定ですので、多くのIMUGメンバーのご参加をお待ちしています!

古野電気本社 コミュニケーションブリッジ(展示室)にて
IMUG Tシャツで皆さんと集合写真を撮りました^^

(IMUG事務局編集部)

--(IMUGに関するお問い合わせ)
・イントラマートユーザ会(IMUG)個別説明会
https://icotto.intra-mart.jp/imart/event/regist/8gcz9h9yfwcdzdx

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