IMUG コミュニティビジョンはこうして生まれた!~コミュニティビジョンに込められた事務局の想い~
NTTデータ イントラマートのユーザー会であるIMUGは、発足3年目を迎えた今年度、「つながりを育み、ひらめきを生み出す、ワクワクが待っているコミュニティ」というコミュニティビジョンを策定しました。業種を超えてintra-martユーザーがつながり、その活用方法やDXの実現方法を学び合うとともに、ビジネスに関するひらめきを得ていただきたい、そして新たな仲間や知識と出会えるというワクワク感を持って参加していただきたいという思いを込めています。
従来以上に多様なイベントを積極的に展開してきた2023年度も佳境を迎えていますが、このコミュニティビジョンはIMUGの一連の活動を支えてきた理念でもあります。NTTデータ イントラマートのお客様、特にIMUG会員の皆さんにどんな価値を届けようと考え、どのようにビジョンを構築していったのか、IMUG コミュニティマネージャーを務めるNTTデータ イントラマートの三村真由さんと、ビジョン策定を支援してくれたKEEN株式会社の佐藤志保さんにお話を聞きました。
ユーザーコミュニティは会社とは全く違う性質の組織
――コミュニティビジョンをつくった経緯は?
三村(IMUG事務局) IMUGの活動が3年目を迎えて、よりスケールアップをしていきたい、イベントも、よりユーザーさんが輝けるようなものを開催していきたいという思いがあり、そのためにIMUGコミュニティの一層の活性化に注力していこうということで、KEENさんに活性化に向けたお手伝いをしていただきました。
具体的な活動として、ワークショップなどで私たちが目指す像と現在地を確認しながら、何が足りていないのかなどいろいろな議論を重ねました。その中で、IMUGをこういう状態に持っていきたいよねというのをきちんと言語化して私たちの思いをお客様に伝えていく必要があるし、参加者みんなが思いを一つにしてコミュニティを運営していくためには、コミュニティビジョンをつくるべきだという結論になったんです。KEENさんからもそこは強くアドバイスしていただいて。
佐藤(KEEN) 当社はコミュニティ活動の運営支援と、コミュニティのデータ分析ツール「KEEN Manager」の開発を軸とした事業を展開しています。IMUGをもっと活性化して、事務局の皆さんが目指すIMUG像に近づけていくために、何をどんなステップでどう実行していくべきなのか、大きい方針を決めるサポートをしました。
IMUGのようなユーザーコミュニティは、会社や学校などとは組織の在り方が全然違うんです。会社なら上司と部下、学校なら先生と生徒のように、指示をして誰かを動かす、誰かの指示を受けて動くという構造がありますが、コミュニティはそういう場ではありません。参加者の方には、目標やビジョンに心から共感して自律的に動いてもらうというのが、すごく大事な前提なんですね。そういう理由があって、改めてコミュニティのビジョンをしっかり考えませんかという提案をしました。
イメージを共有するためのユニークなワークショップ
――実際にどんなプロセスでビジョンをつくり上げていったのでしょうか。
三村 まず、IMUGのありたい姿についてイメージワークを行いました。「みんな仲間」「ワイワイ楽しく」「双方向のコミュニケーション」などのイメージが多く集まった気がします。この人はクールに見えるけどすごく明るい未来を考えているんだなとか、事務局メンバーの意外な一面を知ることができたのは面白かったですね。各事務局メンバーがIMUGに対して熱い想いを持っているんだと認識しました。最初から言葉で自分の考え方を示すとなると、結構ハードルが高くなってしまって、ディスカッションも硬い雰囲気になってしまうと思うんです。KEENさんのガイドのおかげで、最初のイメージの共有から楽しく和気あいあいと進められました。
佐藤 ビジョンを最初から言葉で議論すると、メンバーそれぞれがイメージしているものや考えているものが言語化の過程でかなり削ぎ落とされてしまうんです。視覚的な情報も活用することで、ほかの人の考えていることとの距離感みたいなものが直感的に把握できます。その上で、言葉でも補足してもらうことで、多くのメンバーに共通した思いや大事にしている価値観がだんだん浮き上がってきます。イメージの共有と言語化を行き来することで、コミュニティとしてのビジョンを仕上げていったという流れです。
一連のプロセスを通してメンバー同士がさまざまな種類の情報を共有することになるので、目指すべき世界観を深いところまで共有でき、ビジョンをつくった後に具体的な施策を実行していく際もスムーズに進みやすくなります。
――最終的に「つながりを育み、ひらめきを生み出す、ワクワクが待っているコミュニティ」というビジョンが出来上がったわけですが、どんなことが議論のポイントだったのでしょうか。
三村 IMUGは発足以降、「DXを学び合うコミュニティ」を掲げて2年間活動してきたんですが、コミュニティビジョンを改めて考える中で、DXって難しいよねという話になったんです。intra-martがDXに貢献できる製品であり、そこを前面に出すのは譲れないという意見がある一方で、DXにこだわり過ぎるとIMUGに参加するハードルが高くなってしまう気がして悩んでいました。DXまではいかずとも、intra-martを何らかの形で活用したいと思ってくださっているユーザーさんにも気軽に参加してほしいという気持ちがあったので、「ひらめき」という言葉に、DXに向けたマインドチェンジやイノベーションの要素も含めようという結論になりました。
ユーザーさんへのヒアリングで、「IMUGに参加して、intra-martってこんなふうに使えるんだっていう発見があった」という声をいただいたのがすごく印象に残っていて。やっぱりIMUGは、いろいろなユーザーさんが自由にコミュニケーションできて、それが連鎖する場にしたいんです。
佐藤 私の立場から見ても、ワークショップの成果を本当にうまくまとめていただいたと感じます。コミュニティって、誰かに言われて渋々参加するものじゃないんですね。楽しいから参加するとか、自分の会社ではなかなかやれないことに取り組めるサードプレイスとして位置づけているとか、大人がはしゃぐ場であってもいいと思うんです。事務局の皆さんがIMUGの価値や存在意義を改めて考えて意識をすり合わせることはもちろんよかったんですが、intra-martユーザーの皆さんにとってもよりどころとなるビジョンができたのではないでしょうか。
ユーザーと事務局が一緒につくりあげるこれからのIMUG
――コミュニティビジョンに対するIMUG会員の皆さんの反応はいかがでしょうか。
三村 ポジティブな評価をいただくことが多いです。ビジネスイノベーション分科会はITに縛られないテーマの企画などが多く、ワクワクを既に体感していただいているという反響もある一方で、製品サービス分科会については「製品情報の共有という側面が強く、あまりワクワクする感じはない」というご指摘もありました。事務局が率先してワクワク感のある企画を広げていくとともに、ゆくゆくはIMUG会員の皆さんと一緒にワクワクをつくっていきたいと考えています。そのためにも、あらゆる機会を捉えてコミュニティビジョンの周知を図っていきます。
――コミュニティビジョンの策定後、事務局の活動に変化はありましたか。
三村 ありましたね。コミュニティビジョンが指針としてしっかり機能していて、企画会議などでも、ユーザーさんにとってどんな意味や価値があるかを常に考えるようになりました。今まではイベントの開催が目的化してしまっていたところもあったのですが、現在は開催後のユーザーさんのフォローアップを重視しています。フィードバックも事務局側から能動的に収集して、ワクワクをつくろうということを強く意識しながら活動しています。
――今後のIMUGの活動についての期待や展望をお聞かせください。
佐藤 できるだけ多くのユーザー企業の皆さんがコミュニティビジョンに共感してくれて、自分ごととしてIMUGの活動に参加してくれるようになることが重要です。intra-martが好きで、事務局と一緒にIMUGを引っ張っていってくれる「スター顧客」が複数出てくると理想的ですね。そうした人たちのアイデアが、イベントなどのコンテンツの質を高めてくれ、コミュニティの活性化にもつながると思います。事務局と参加ユーザーさんが一緒につくり上げていくこれからのIMUGに期待しています。
三村 ユーザーさんをどう巻き込んでいくかという工夫も、今回のコミュニティビジョン策定のプロセスを通してKEENさんから教えていただきました。ユーザーさん同士の交流をもっともっと促進するために知恵を絞って、楽しく気軽に参加していただけるイベントをどんどん増やしています。雰囲気や様子をご覧になるだけでも構わないので、IMUGのイベントにぜひ参加してほしいです。また、コミュニティビジョンができたことで当社内でも、IMUGに対する注目度や評価が高まったと感じています。ユーザーさんのために価値ある活動を拡大できるように社内の仲間も拡大していきたいと考えています。
(IMUG事務局編集部)
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