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IMUG 2023 DX Summer Camp ~DX銘柄選定企業、DX認定取得企業に聞く取り組みの実態~

NTTデータ イントラマートのユーザー会「IMUG」は7月20日、DX Summer Campをオンラインで開催しました。5月のキックオフミーティングでは、IoTNEWS代表/株式会社アールジーン代表取締役でデジタルソサイエティ研究家の小泉耕二氏が特別講演に登壇し、日本企業のDXの現状について解説していただきました。今回はその続編と言える内容です。小泉氏をモデレーターに迎え、DX銘柄に選定された、もしくはDX認定を取得したIMUG会員企業にその取り組みの実態をお聴きしました。多くのIMUG会員にとってさまざまな示唆があった当日の模様をダイジェストでお届けします。

intra-martで開発した社内システムを外販

登壇していただいた「DX先進企業」のIMUGメンバーは、株式会社フォーバルテレコム(以下、フォーバルテレコム)の内海義朗氏、SOMPOホールディングス株式会社(以下、SOMPOホールディングス)の桜井浩輝氏のお二人です。まずはintra-martとの関わりを含めて自己紹介をしていただきました。

当日は弊社オフィススタジオからLIVE配信を行いました

フォーバルテレコムが属するフォーバルグループは、中小企業を主要な顧客として電話/通信サービスやICT製品などを販売・提供しています。その中でフォーバルテレコムは、サービス、ソリューションの企画やその請求関連業務を担っているとのこと。そこで蓄積した業務ノウハウを社内でシステム化して自社ビジネスで活用するのみならず、外販もしています。具体的な商材は主に二つ。
一つは見込み情報の管理から顧客管理、受注管理、料金計算、請求書発行、決済代行までサブスクリプションビジネスに必要な機能をワンストップで提供するクラウドサービス「CollaboOne」で、すでに100社ほどに提供しているそうです。テレコム事業に必要な機能の網羅性や使いやすさが評価され、同業他社での利用も急拡大しているとか。CollaboOneやその原型となった社内システムの基盤には、intra-martを活用しています。
もう一つは同社オリジナルの請求書発行システムを応用した「e-bill」で、請求書などの帳票をオンラインで簡単に発行、送信、受領できるサービスです。電子インボイス対応や電子帳簿保存法対応ニーズが追い風になって、こちらもユーザーが拡大しているといいます。
SIerを経てSEとしてフォーバルテレコムに入社した内海氏は、これらの「社内システムとして開発→汎用的なサービスとして外販」というプロジェクトをけん引し、現在ではCollaboOneやe-billの営業も統括しているそうです。

Notes移行先としてのintra-martが他業務でも負荷を軽減

SOMPOホールディングスのIT企画部で課長を務める桜井氏は、SOMPOグループのITガバナンス強化がミッションです。ユーザー部門の立場でITに触れた期間が長く、損害保険の営業や生命保険の事務企画業務を経験したほか、保険の事務オペレーションの改善やそのためのシステムの企画にも携わった経歴があります。
同社グループは「安心・安全・健康のテーマパーク」というパーパスのもと、祖業である損害保険事業をはじめ、生命保険事業も成長しているほか、近年では介護事業にも進出しています。DXにも積極的に取り組んでおり、顧客体験を高める「攻めのDX」とデジタルによる組織・業務プロセスの変革に取り組む「守りのDX」を同時に推進しているといいます。
同社はこうした取り組みの一環として、SOMPOグループ内で長年使われていた「Notes」のリプレースの受け皿としてintra-martを導入しました。導入時には、新しい業務アプリケーションをスピーディーに開発するためのローコード開発基盤やBPMシステムとしての活用も視野に入れていたのもポイントです。桜井氏は「Notesリプレースで年間2億円以上のコスト削減を実現した。また、同じintra-martを使って総務関連業務のワークフローシステムを開発し、同業務の関係社員の約80%が業務品質の向上を、約90%が業務負荷軽減を実感した」という成果を紹介してくれました。
なお当日は、「slido」というツールを使い、参加者からの質問を随時受け付ける仕組みを用意し、お二人の自己紹介中からどんどん質問が寄せられました。その一部をご紹介します。

Q. 社内システムをサービス化するときに気を付けた点を教えてください。
A. 社内システムの開発時から外販を視野に入れていたので、自社の業務のやり方だけに特化したシステムにしないことは強く意識しました。さまざまな帳票フォーマットに柔軟に対応できるような仕組みにするとか、機能に汎用性を持たせることには気を遣いましたね。(内海氏)

Q. Notesからintra-martへの移行時にユーザー部門からの不満はありましたか。あった場合はどう工夫して対処したのでしょうか。
A. intra-martへの移行にあたっては、事前に業務プロセスを見直すとともに、Notesの無数にあるデータベースの利用状況を全て把握して、必要ないものを削ぎ落していきました。まだ八合目くらいのプロジェクトですが、新システムはNotesを再現するものではない」ということをユーザー側にしっかり丁寧に説明して理解してもらったことで、多くのユーザー部門で新システムの利用がスムーズに進んだと思います。(桜井氏)

「slido」を活用し、オンラインでの参加者も
随時ディスカッションに加わることができるようにしました

DX認定・DX銘柄には自社の現状を把握できるメリットが

フォーバルテレコムはDX認定を取得、SOMPOホールディングスは2020年度のDX銘柄に選定されていますが、プログラムの後半では、これらの制度についての受け止め方や自社の取り組みについてお話をうかがいました。両制度を念のためおさらいしておくと、
DX認定
→文字通り、DX推進の準備が整っていると認められた企業を国が認定する制度です。
DX銘柄
→DX認定を取得している東京証券取引所上場企業の中から、DXで成果を挙げた企業を経済産業省、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、東証が共同で選定するものです。
内海氏はフォーバルテレコムがDX認定を取得した背景について、「グループ会社やお客様など、いろいろな会社に対してDX推進を支援するビジネスをやっていることもあり、DX認定を取得するのは広報戦略上重要だと考えています」と説明しました。また、継続的にバージョンアップされるintra-martを開発基盤として採用したことで、プラットフォームの進化に合わせて新しいテクノロジーを活用できる環境が自然に整い、アプリケーションの開発に集中できていることも強調。intra-martがDXの基盤として有効に機能しているとしました。
一方、SOMPOホールディングスの桜井氏は「DX認定は自分たちのDXの状態を定期的に測る物差しとして有効だと考えました」と振り返ります。その上で、「IRの観点を含めると、DX銘柄にも選ばれることが望ましいという結論になり、(DX銘柄選定の基礎的な資料となる)経産省のアンケート『DX調査』では、グループ会社から情報をかき集めて、具体的な取り組みがどの程度進捗しているのか、定量的かつ客観的に示せるように回答を工夫しています」とのこと。DX銘柄に選定されるかどうかも重要ですが、DX認定の取得も含め、選定を目指すプロセスにおいて自社の現状が可視化されることで、DX推進を促す効果があるという考えを示しました。
両社の取り組みの説明を受け、小泉氏は次のように評価・期待を語りました。「フォーバルテレコムのように、社内システムを開発するときに最初から外に売ることも考えると、業務に対する見方も変わり、標準化や効率化を進めるきっかけにもなり得る。多くのintra-martユーザーにとって再現性のある取り組みだと感じます。SOMPOホールディングスは銘柄の選定は大事だと考えつつも、足元のビジネスでデジタル活用による顧客体験の改善をしっかり進めていくための手段として活用されているという印象です。簡単ではないでしょうが、グループ横断のデータ活用などができる環境が整っていくとさらに取り組みが発展していくのではと期待しています」

プログラムを通じて参加者からは多数の質問が寄せられ、このテーマに対する関心の高さがうかがえました。DXの実践について生の情報を得られるイベントは今後も積極的に企画していきますので、ぜひご期待ください!

(IMUG事務局編集部)

--(IMUGに関するお問い合わせ)
・イントラマートユーザー会(IMUG)個別説明会
https://icotto.intra-mart.jp/imart/event/regist/8gcz9h9yfwcdzdx

--(関連情報)
・IMUG
https://www.intra-mart.jp/service/imug.html

・CollaboOne
https://www.collabo-one.jp/


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